龍門司焼は多彩な釉薬がある事で知られています。
原料となるのは3km地内の山野で採れる土・石・軽石・シラス・泥・籾殻・囲炉裏の灰などです。
原料を各々甕壺で水と混ぜて攪拌
不純物を取り除き精製(水簸(すいひ))したのち、
調合することで数々の釉薬ができます。
また、手作業でこれらの天然釉を施すため、色の濃淡・模様・雰囲気は
それぞれ違います。
最後に登り窯で焼成することで味わいも加わり
またとない世界で一つのうつわができるのです。
釉薬の種類
┃ 黒釉青流(くろゆうあおながし)
伝統の黒釉に青の釉薬を流し掛けた龍門司を代表する釉薬
┃ 三彩釉(さんさいゆう)
黒釉青流と並ぶ
龍門司の定番
名の通り白化粧に
青釉と飴釉を
リズミカルに掛け
三色で彩る
┃ 飴釉(あめゆう)
カラメルの様な色合いに
青釉を流し掛ける
┃ 鮫肌釉(さめはだゆう)
日本でも
龍門司にしかない
といわれる釉薬
登り窯で焼成することで
生まれる
細かな粒状は
手触りがざらざらと独特で面白く
陽に当たると輝く
┃ 黒蛇蝎釉(くろだかつゆう)
黒釉の上にシラスと土灰
による釉薬を
重ねたもの
釉薬の収縮率の違いから
模様が生まれる
┃ 白蛇蝎釉(しろだかつゆう)
黒蛇蝎釉と同じく
収縮率の異なる
釉薬の差異で生まれる
上にかぶせた釉薬のほうが
大きく縮み
その割れ目から下の釉薬
がのぞくため
模様はさまざまで
個体差が大きい
┃ 三島象嵌(みしまぞうがん)
うつわの表面に
彫りや刻印をいれ
白化粧を埋め表面を削る
手間のかかっている技法の一つ